建物を所有する目的で、地代を払って土地を借りる「賃借権」やその権利を登記する「地上権」の2種類があり、使用している土地のことを借地、借りている人のことを借地権者といいます。
「賃借権」は土地賃貸借契約により成立し、土地の使用・収益を土地所有者に請求できる権利のことで、特定の人が特定の人に対して持つ一定の行為の請求ができる「債権」です。土地の貸主(賃貸人・借地権設定者といいます)に対して借主(賃借人・借地権者といいます)は賃料の支払い義務と、目的物を賃貸借期間が終了した場合は原則として原状に戻して返還する義務を負います。譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要です。
「地上権」とは、他人の所有する土地に、植林及び工作物の所有を目的としてその土地を使用・収益する権利です。「物権」である為、譲渡・転貸は賃貸人の承諾無しに自由にできます。
親の代からずっと借地に住んでいる人は多くおられます。地主(家主)、借地人(借家人)はお互いの信頼を基に大切な不動産の貸し借りをする間柄です。でもそれぞれの周辺状況、環境の変化により良好な関係が壊れ、明け渡し問題で裁判にまでなることもあります。
借地のメリット
土地を買い取る所有権に比べ、借地契約を結ぶことで、割安な予算で土地を利用することができます。旧法の借地法では借地権者の権利は強く守られてはいますが、所有権に比べると不安定な権利だといえます。
借地のデメリット
借地上の建物の売却や増・改築するときには「承諾料」を払って賃主(地主)の許可を貰わなければなりません。又、建物を担保に銀行借り入れをするときにも銀行から「貸主(地主)の承諾」を要求されることがあります。契約更新時には土地の実勢価格の5%ぐらいの更新料を要求されることもあります。借地料も「周辺状況に応じて」という名目で、契約期間中でも値上げをされることもあります。
この様な理由で「借地権」は資産価値としてはかなり低めの評価しかされません。
今の借地借家法は、平成4年に改正されましたが、それより前からの借地権には、引き続き旧法が適用されます。 借地借家法は所有権に比べると弱い借地人や借家人を保護する為に土地、建物について定められた法律です。この法律で保護される「借地」とは、建物所有を目的として借りた土地で、そこに家が建ってるいことが条件です。旧法の借地権の存続期間は土地の上に建っている建物によっても違いますが、新法では最低30年以上となりました。そして新たに「定期借地権」の規定が設けられました。定期借地権には「一般定期借地権」と「建物譲渡特約付き借地権」「事業用借地権」の3種類があります。
以下に新・旧法の対比表を記します。
旧借地法 | 新借地借家法(平成4年8月1日施行) | ||||
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従来の借地権 | 一般(長期型) 定期借地権 |
建物譲渡特約付借地権 | 事業用借地権 | 普通借地権 | |
利用目的 | 限定なし | 限定なし | 限定なし | 事業用(居住用は除く) | 限定なし |
存続期間の定め | 非堅固な建物(木造等)20年以上(期間の定めなし30年)堅固な建物(マンション等)30年以上(期間の定めなし60年) | 50年以上 | 30年以上 | 10年以上50年未満 | 30年以上堅固・非堅固の区別なし(期間の定めなし30年) |
成立(特約) | 書面によらなくても可能です | 契約更新・建物再築による期間延長・建物買取請求権の排除の特約は公正証書等書面によること。 | 建物を地主が譲り受けるとの特約(書面によらなくても可だが、書面化するよう指導)。 | 設定契約は、必ず公正証書によることが条件。 | 書面によらなくても可能です。 |
期間満了の時 | 法定更新あり。非堅固な建物(木造等)20年堅固な建物30年 | 借地関係は終了し、建物は借地権者が取り壊して更地で返還する。 | 借地関係終了。 | 借地関係は終了し建物は、借地権者が取り壊して更地で返還する。 | 法定更新あり(更新後の期間は初回のみ20年、2回目以降10年)、更新拒絶には正当事由が必要。 |
終了時の建物と その利用関係 |
①借地人に建物買取請求権があります。建物の朽廃により、借地権は消滅します。 | 建物買取請求権排除の特約があれば、借地人は建物を収去して土地を明け渡す。ただし、善意の借家人は1年以内に限り明渡しの猶予請求可。 | ①建物所有権は地主に移転する。②借地人が使用していれば借家関係へと移行します。③借家は継続する。 | 借地人は建物を収去し更地で土地を明渡す。借家人も退去し、明渡します。ただし、善意の借家人は1年以内に限り明渡しの猶予請求ができます。 | ①借地人に建物買取請求権あります。②買取請求権が行使されると借家関係は承継します。③借地人は特に約束がなければ退去しなければならない。 |
- 貸地(借地)の契約更新が近いけど、どんな契約にすればいいのかな?
- 借地権の建物は売れますか?
- 承諾料っていろいろあるみたいだけど、いくらぐらい?
- 借地権者である親が亡くなったけど、契約はどうなるの?
- 土地が売られて地主が変わり、条件の変更を要求されている
- 借地契約を更新しないで、土地を返そうと思うが、地主が「上の建物を壊して更地にしてくれ」と言ってきた。
- 借地を第3者に転貸したいんだけどー
- 借地契約を終了させるにはどうすればいいの?
- 借地上の建物が火事で焼失した。または建物が古くて壊れそう。
など、借地に関することは何でもご相談ください。
借地権(付建物)の買い取りも致します。又、借地契約の締結、更新時にもぜひ恒華堂にお声かけください
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